[TCP・IPマスタリング]4.5 IP の分割処理と再構築処理

 

 

4.5.1 データリンクによってMTU は違う

データリンクによってMTU の大きさが違うのは、データリンクが目的ごとに作られており、
それぞれの目的にあったMTU の大きさが決められたからです。IP はデータリ
ンクの上位層であり、データリンクのMTU の大きさに左右されることなく利用
できなければなりません。

4.2.3 項で述べたように、IP はこのようなデータリンクごとに異なる性質を抽象化する働きがあります

 

4.5.2 IP データグラムの分割処理と再構築処理

 

ホストやルーターは、必要に応じてIP データグラムの分割処理
(Fragmentation:フラグメンテーション)をしなければなりません。分
割処理は、ネットワークにデータグラムを送信しようとしたときに、そのままの
大きさでは転送できない場合に行われます

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上記図のようにルーターがIP データグラムを3 つに分割してから送信

この分割処理は、必要になるたびに何回でも繰り返されます

途中で細かい制御をすることはルーターに大きな負荷をかけるだけで効率的ではない。

このような理由から、終点の宛先ホストだけが分割されたパケット
の再構築処理を行うようになっています

 

 

4.5.3 経路MTU 探索(Path MTU Discovery)

分解処理の欠点

①ルーターの処理が重くなる

可能ならば、ルーターでは分割処理をしたくない

 

②分割処理をすると、分割された断片の1 つが失われても元の
IP データグラムのすべてが失われてしまう

これらの弊害を避けるための技術が、経路MTU 探索(Path MTU Discovery)です

経路MTU(PMTU:Path MTU)とは、送信先ホストから宛先ホストま
で分割処理が必要にならない最大のMTU のこと

つまり、経路に存在するデータリンクの最小のMTUである

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なお、経路MTU の値は多くの場合最低約10 分間キャッシュされる

10分間は求まった経路MTU の値を使い続けますが、10 分経過したらリンクのMTU
をもとに再び経路MTU 探索を始めます

TCP の場合には経路MTU の大きさをもとに最大セグメント長(MSS)の値
が再計算され、その値をもとにパケットの送信が行われます。そのため、TCP の
場合に経路MTU 探索を利用するとIP 層では分割処理が行われなくなります

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